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six-9のブログ

おっさんのブログ。エロゲとかアニメとか。

サーベイに関するQ&A

 B4の俺に「卒論のテーマを自分で考えろ」という無茶な指令を下されて以来、ここ二週間ほどオープンキャンパスの準備と実験装置の使い方を習いつつ時間の空いた深夜に論文を探したりして残り半年間で何をしたらいいのか、調査と言う闇の中を彷徨っています。
 そんな中で見つけたのが以下のページ。*1

http://web.yl.is.s.u-tokyo.ac.jp/~sumii/survey.html

[Q] サーベイはどれぐらいの量をやるべきですか?

[A] 人にもよるとは思いますが、*最低でも*月に5〜6本の論文に目を通すべきです。最初のうちは時間がかかって大変かもしれませんが、慣れてくれば一本一時間ぐらいで大体の内容は把握できます。

[Q] 私はそんなにいろいろな研究には興味がありません。

[A] それは視野が狭すぎます! そんなに守備範囲が限られていては、まともな研究はできません。特定の分野のspecialistになるのは決して悪くありませんが、周辺の分野についても勉強しなくては、自己満足のための研究しかできないでしょう。たまに「理論には興味がない」という実装の人や、「実装には興味がない」という理論の人がいますが、そういう人はろくな研究をしていません。ほとんどのまっとうな研究者は、自分の専門じゃない分野でも本質をよく理解しています。たとえば、π-calculusのspecialistとして有名なDavide Sangiorgiは、実際に会って話を聞いてみたら、細粒度スレッドスケジューリングから並列/分散GCまで、実に様々な研究を詳しく知っていました。

[Q] サーベイした論文はミーティングで紹介すべきでしょうか?

[A] もちろんです。ただし、世の中には人に説明する意義の小さい論文も多い(僕の経験だと9割以上)ので、迷ったら誰かに相談すると良いでしょう。また、ミーティング(や授業)で発表するときは、少なくとも1〜2週間はかけて準備するべきです。直前に慌てて論文を読み始め、ろくに理解していない状態で発表するのは、自分にとっても損ですし、聴衆にとっても迷惑です。

[Q](by 田浦さん)とにかく論文をいっぱい読めといわれても困るのですが,どこから手をつけたら良いですか?

[A](by 田浦さん)勉強する論文の数を増やすにはいくつか方法があるでしょう.

1. ACMIEEE情報処理学会,ソフトウェア科学会の会員になりましょう.ACM/IEEEは自分が専門でなくても,興味のある分野のSIGに入ってproceedingsやjournalが送られてくるようにしましょう(研究をはじめて2−3年で自分の「専門」を定義せずに自分の興味の向くものにどんどん目を向けましょう).Proceedingsや journalが来たら,こわがらずに目次を最初から最後まで眺めましょう.最初はわけわからなくても気にせずに続けましょう.タイトルに少しでも興味のある論文はアブストラクトに進みましょう.さらに興味があったら本文に突き進みましょう.時間がなければその論文の存在だけを心にとめておき,必要に応じて,例えばそろそろゼミで自分の発表の番だったり,自分の論文からその論文をreferする時などに丁寧に読み返しましょう.
それを続けていくうちに,色々な分野の大体の様子がわかってきましょう.また,分野間のつながりも見えてくるでしょう.すると一つの論文を理解するのにかかる時間が短くなりましょう.
たくさん読んでいくと,タイトルを見ただけで論文の内容がわかるようになるでしょう.また,本当に自分の専門とする分野であれば,来年のproceedingsに載るタイトルが予想できるようになりましょう(20%本気).そうなったら内心で喜びましょう.
 2. 論文を読んでいる時に,論文の引用マーク([3]など)が出てきて,少しでも重要だと思ったら面倒くさがらずに「必ず」なんという論文かをチェックしましょう.論文はほとんどの場合過去の仕事の拡張になっています.ある論文を読んで今一つ理解ができないと思ったら過去へ過去へと面倒くさがらずにさかのぼりましょう.いつか基本となるアイデアを明快に,かつ優しく説明した論文に突き当たるでしょう.
たくさん読んでいくと,論文の引用コンテクストで,後ろを見なくても「あ,この論文でしょう」とわかる回数が多くなってくるでしょう.そうなったら内心で喜びましょう.
3. ある論文の著者が,自分のプロジェクトへと読者をいざなうことはとくにシステムの実装の研究では良く行われましょう(プロジェクトのweb pageをreferしたりしてるでしょう).そうしたら必ずそのweb pageを面倒くさがらずに訪れましょう.そのプロジェクトの全体のゴールを知ることで,ある論文の背景を知ることができましょう.もう一つのご利益として(2)で述べた,過去の論文をたどるのがすべてonlineですむようになる,というのもありましょう.
4. ACM/IEEEのDigital Libraryに入りましょう.しかしそれと同時に自分の足で図書室に探しに行く手間をおしまないようにしましょう.図書へ行くのがどうも面倒だという人は,ときどき思い立った時に,10個とか20個くらいの論文を「一気コピー」しましょう.紙をケチらずに関係のありそうな論文や興味のある論文をじゃんじゃんコピー・印刷し,詳細を理解しなくても良いものは「早いペースで」読む習慣をつけましょう.

帰りの電車の中で10分で読んだ,読んでみると実はくだらなかった論文も「読んだ」うちに数えましょう.そうやって,たくさん読んだことにして内心で喜びましょう.

卒論生の論文を読む心得としてはid:next49さんの論文の読み方 - 発声練習

 卒論生は、読み込みの質よりも量が重要だと私は思っています。一度読んだら、二度と読まないという読み方ではなく、複数回読むことを前提に論文を読みましょう。自分でコピーや印刷した論文ならば、ラインマーカーや直接書き込みをして、読み込むごとに重要な点がすぐに発見できる、あるいは読み込みが深くなるようにしましょう。

座右の銘にしていたけれど、また新しい文献調査のHow toを得ることが出来た。

*1:それにしても、個人的な印象だけど、こんな風にblogとかHPで研究に対するtipsを公開してるのは情報系の研究者ばっかり。俺のやってる応用物理とかそっち系の人には出会ったことが無い。。。