とりあえずアニメ見て、他の人の感想見たので自分も思ったことを記録しておきたかったので。神様になった日、手放しで褒める人がなかなか居ない。
神様になった日、数少ない麻枝の作品だから楽しみにして見た。正直、飯食いながらとか、作業しながらとかのながら見だったので、そんなに自信もって感想かけないし、なんならどんな話だったかもあまり覚えていないのだけど。
かなり低評価で、それももっともで、俺も8, 9話くらいのとき、こんなんで本当にカタルシスあるのかなー、と思っていたけど、そのとおり、あんまりパッとしない終わり方だなあ、と思った。
俺がプレイしたことがあるのはAirとリトルバスターズ!くらいで、*1KanonとCLANNADは京アニのアニメを見たくらい。Angel Beats!とCharlotteは見た。
Angel Beats!の時もCharlotteのときも、結構楽しく見させてもらったと思う。死んだ世界戦線の方がAngel Beats!で、なんかよくわからない特殊能力モノで時間を巻き戻すだか、時間を止めるだかで妹を救う救わないみたいな話がCharlotteだった気がする。天使ちゃんがAngel Beats!で、Charlotteがクソ生意気なわからせメスガキがヒロインだったやつな。Summer Pocketsもやってないのか。
ストーリーリストを見直してみる。*2
- 第一話 降臨の日
- 第二話 調べの日
- 第三話 天使が堕ちる日
- 第四話 闘牌の日
- 第五話 大魔法の日
- 第六話 祭の日
- 第七話 映画撮影の日
- 第八話 海を見にいく日
- 第九話 神殺しの日
- 第十話 過ぎ去る日
- 第十一話 遊戯の日
- 第十二話 きみが選ぶ日
結構泣かせにきてるストーリーだったのが、第五話大魔法の日で伊座並家の問題を解決するところと、第八話 海を見にいく日でひなの病気が判明し、ひなの父の苦悩と、陽太の将来を暗示される。第九話 神殺しの日以降は、ひなの能力が奪われ、ひなとの日々を取り戻すために陽太が奮闘する。
泣かせに来ていない話としては、第二話、第三話、第四話、第六話、第七話。全12話中、半分の6話がこんな感じだった。(第一話はストーリーの導入であり、特別なのでこの中には含めなかった))
他の人たちも言及していたが、どうにもバランスが悪い。半分近く、そして、泣かせに来ている上の話の中でも、第10話とかは半分近く日常描写だった。日常描写も、「バカ騒ぎ」するような内容。
ふざけている場面ばっかりで、急にシリアスをやられても、ついていけないという気持ちになった。
確かに、麻枝が重病をおしてまで作った作品がこんなもので残念だ、という気持ちにもなる。*3
脚本以外はハイクオリティで、映像、背景、音楽どれをとっても良かった。第一話のOPを見た時は、「どんなにすごい作品になるんだろう」というワクワク感が止まらなかった。
2010年代だったら受け入れられたと思うが、2020年を生きる俺にとっては、たしかに味わいが足りないと思ってしまった。国崎往人もそんなにいい人間だったかと言われるとそうでもねーだろ。
多分、神様になった日を分析するのに一番近いのは、同じアニメでもありナイーブな少年が主人公だったAngel Beats!やCharlotteだとは思うのだけど、いまいち話を思い出せない。同じナイーブな主人公である理樹が近いか。ひなと陽太が病院で同じ時を過ごすというストーリー展開は、リトルバスターズ!で理樹と鈴が二人で逃げるあたりを思い出した。
「主人公」は陽太であり、ひなはヒロインである。極端な話、ひながバラバラに解体されて世界のための生贄になっても、それが陽太の成長や回復につながるのであれば許容される、それがゼロ年代の共通認識だったはずだ。事実、綾波は自爆し、ちせは家になり、そして観鈴ちんはゴールした。その点から見ると、ひながチップを外されて、ロゴス症候群により知力・体力が減退して入院生活するようになっても、それが陽太にとって意味があれば物語的に要請されてしかるべきだ。*4確かに陽太は、思慮の足りないクソガキだし、ひなが入院している中ですべてを忘れて鈴木と学生生活を満喫する。ここらへんはかなりイライラした。ただ、イリヤ(UFOの空のほう)でも浅羽はイリヤがレイプされそうになってる横で拾ったエロ本でマスかいてた。確かに陽太はクズで、見ていて共感性羞恥を誘う。それは、おそらくAirやリトルバスターズ!をプレイしていたときも、主観で行われていた行為なのだ。それを、2020年にアニメという客観性の強い媒体で使用したので、このような違和感に通じたのだと思う。同じ描写も、エロゲーだったら多分違和感なく受け入れていたと思うんだよなあ。ヒロインが入院して、それをどうしようもないけれども、何かしようとして余計状況を悪化させる、なんて、いかにもエロゲーのシナリオにありそうじゃないか。
陽太は、打ち込んでいたバスケットボールを怪我で諦め、かといって他に目的もなく漫然と学生生活を送っていた*5。陽太は、ひなと出会ったことで、ひなとともに生きるという目的を付与されて、改めて生き直すことができるようになった。主人公の復帰のためにひなが犠牲になる形は、いかにもセカイ系らしい。そしてこういう展開は大好き。
ひなは陽太の所有物ではない。
この感想はそのとおりで、俺も視聴時に全く同じ気持ちを抱いた。このツイートをきっかけに、神様になった日を、そのままの気持ちで見るのではなく、「これが2000年代のエロゲーだったら?」という気持ちで見ることができ、そう考えると結構おもしろい話ナノではないかと思った。世界のためにひながチップを抜かれるのも、そしてその説明がばっさりと削ぎ落とされているのも、ゼロ年代のセカイ系としては特に違和感無い設定だと思う。
最後に、この感想がバチクソハマったので引用させてください。
いずれにせよ本質的であるのは、あらゆる世界の理不尽(に虚構の意味を与える作用)=神話的暴力は、想い出(による現在の生の担保)=神的暴力をもってして対抗することができるということである。
上のblogとかnoteとか、勝手に引用させてもらったので、不都合などあったら消します。