six-9のブログ

おっさんのブログ。エロゲとかアニメとか。

人退5読後メモ: 田中ロミオによる集団的いじめとゲームというメタ素材を用いたジャンルの超克への挑戦

改めて人類は衰退しました5を読んで、やっぱり田中ロミオはすごいなあ、と実感した。本作に出てくる素材は、スクールカーストなどの集団における差別(cf. 家族計画、Cross†Channel最果てのイマ、AURA)、ゲームに仮託したメタ性(おたく☆まっしぐら)、お茶会(最果てのイマ人類は衰退しました2巻)など、これまでの田中ロミオ作品に出てきたものばかり。なにか、これらの素材に思い入れでもあるのだろうか*1
余談だが、シリーズ5作目である本作で、妖精さんの正体とか、人類が衰退してしまった理由とかが朧気ながら見えてきたように感じられる。まだはっきりとは示されていないし、自分でもうまく言葉で表現できないけれど、なんとなくこんなもんかなあ、という感じで伝わってきた。これらから演繹されるメッセージは「愛だよ、メンズ(by AURA)」ということに収束しそうな気がする。

*1:ここらへん、丸戸史明の作品における家庭教師、受験、教師、共同住宅での生活、家柄の違いでのロミオとジュリエット的恋愛などのモチーフの頻出とつながる。作家というのは使い易い素材を使い回すものなのだろうか。

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メンタルケアと最初の半年間で習慣化しておきたいこと

新社会人に贈る、『うつ』にならないための心得十箇条 - じゃがめブログ
新社会人に贈る、最初の半年間で習慣化した方がいい基礎的なこと - じゃがめブログ

どちらも「新社会人」に向けられたエントリだけども、マスターに進学する自分にとっても非常に参考になった。今読んでいるスタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイドと内容的に被っている部分が多かったのも印象的。

メンタルケアについて

今読んでいるスタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイドにおいても同じようなことが書いてあったように思う。結局は、セルフトークで自分を維持して良く必要があるということ。そもそも、今年一年間の卒業研修でさんざん「指摘される」経験を積み、「褒める・褒められる」ことの重要性を嫌というほど実感した。卒論発表練習会で指導教官にボッコボコにされた後に同期四年のひとりがボソッと言った「せめて一緒にやっている四年同士では、出来ていることについては褒めあうと、モチベーションも上がるよね」という言葉を今も覚えている。

最初の半年間で習慣化しておきたいこと

  • 挨拶と笑顔
  • 報告・連絡・相談の技術
  • 自分見積もり
  • 図を描く
  • 質問の技術
  • メモの技術
  • 成果を残す

ここらへんもこの一年間で習得するよう意識させられて、結局うまく行ってないことを痛感させられた部分。笑顔については、社交辞令的には口角を上げることができるようになった*1。自分見積もり、図を描く、成果を残す、といった事については実験ノートを核にしてよく実践・実験できたと思う。毎日研究室に行き、その日の計画を書き、実際に行った実験とその時刻を記すことで、自分の作業にかかる時間を把握できた。
問題は、報告・連絡・相談の技術と質問の技術、そしてメモの技術といった他人との連絡調整におけるテクニックだ。
トラブルほど早く伝える、というのはわかっていはいるのだが、やっぱり怖い*2。また、連絡にかかる時間をあらかじめ伝えておく、というのはTIPSだった。Yes/Noあるいは選択肢から選んで返答できるような質問にする、というのも学術発表における質問を聞いていると重要だと思うのだけど、なかなか実践出来ていない課題の一つ。メモの技術については、「わかるまで確認する=『こうこうこう、で合っていますか?』といえるところまで確認する」というのがわかっていてもできてないところ。相手の話を自分が理解するまで相手が待っているのがプレッシャーなのだが、そこは『仕事を間違えたら今の何倍も迷惑するのだから』というセルフトークを用いたいところか。最後に、自分のToDoメモを名詞ではなく動詞で終わらせるということもTIPSだった。


スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド

スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド

*1:気持ち悪い、とラボメイトにさんざん笑われたけれど

*2:ここらへん、「どうしたら怖い人に連絡事項を伝えることができるのか」問題にもう一段階切り崩して考えなければならなそう。

「暗い部屋」発表決定

HugeDomains.com - KuraiHeya.com is for sale (Kurai Heya)

バナー貼ったので興味ある人は見てください。
去年の夏頃に某小学館から発売中止になってしまった唐辺葉介の「暗い部屋」がノベルゲーム形式で発表されることになったそうです。
すごくうれしいです。
オフィシャルのQ&Aで「子供の話の総決算として書きました」とのコメント。
氏の「子供」の話が大好きな自分としては期待しかないです。
晩春発売とのことなので、もうすぐプレイできる。
直接の通販と、少なくともAmazonには置く、とのことなのでヒッキーな自分にもお求めやすい。
期待大です。

研究上のディスカッションとプライベートな会話を切り分けること

が難しいです。特にウチのボスは熱くなって来るとそれに比例して怖くなるので。
マスターの学生を見ていると、この切り分けが上手くできていないように見える。ボスは切り分けているのだろうか。よくわからない。

http://d.hatena.ne.jp/tsugo-tsugo/20090803

感想

 以外と文量が書けなかった。次回以降行うなら、とにかく考えずにテキストを打ち込むことを考えよう。
 あと、大元のエントリを引用し忘れていたので、ここにCiteしておきます:http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20090926/1253895012

20分間耐久筆記

研究の気分転換に20分耐久文章書きなぐりブレインストーミングやふー - ミームの死骸を待ちながらを見てムラムラっときたので。あと金曜日だし。


 始まりました20分間耐久筆記。てか20分間って長くね? カップラだと六個と2/3個。研究で言うとSiO2絶縁部の成膜時間。あとは思いつかないけれど、レジストの描画時間と現像時間が4分ずつだから、CR内作業が最短で終わるとこれくらいの時間。ああ、ロータリーポンプでアーク溶解炉を真空引き(荒引き)するのも20分くらいか。
 いきなり何を書き出してるんだテメェは、って思われるかもしれないけれど、って何で俺は読者、しかも居もしない脳内読者に対して謝罪、いや反論か、をしているんだろう。そもそもディスプレイの前に座るという姿勢が、対話をイメージさせるから仕方ないのかもしれない。原稿用紙に鉛筆で書き記していた時代は覗き込む必要があったわけだから、それは自己へ埋没してゆく行為だったけれど、現在のインターフェイスでは文字をタイプする行為は対話、ダイアローグに近しいものだと思う。ミーム(copyright id:Hash)じゃないけれど、情報がネット上の世界に浮遊、散乱、まあ兎に角、あ、拡散、違うか、ええと、とにもかくにも、断片的な切れ端がちらばっているような世界、システムでは完全に(敢然に、そして間然に)孤立した自己というものは存在し得ないのである。理由はない。Stand Alone Complexである。某公安9課っぽいセンテンス、そうだ、センテンスだ、これは数行前の断片的な切れ端がちらばっているような世界、システム、のあたりで言いたかった言葉だ、格好いい言葉がでなくて世界、システムと記述したけれど、センテンスがしっくり来る。そう、公安9課っぽいセンテンスだが、僕はこのセンテンスを田中ロミオエロゲーと小説から汲み取ったのだ。つまり、製作・著作田中ロミオ」なのだ。接続と解離は、田中ロミオの庭で、ミームをばら撒いて人類みんな接続すればでっかいコンピュータだからいっこ上の概念生命を認識できるぞー、という最果てのイマだったり、あ、今思うとこれは宇宙ヒッチハイクガイド、だっけ? のオマージュか、あとはアナログに共感と孤独を描いたCross†Channelだったり、隠れ里の最後の生き残りとして自分以外の人間を知らずに育った助手さんと人類文明の衰退を透視、いや違うな、重ねて見せた人類は衰退しました、だったり、ぽつぽつと散見されるわけだ。さきほどからぽつぽつと散見、とか、文字をタイプ、とかに表れているダブルミーニングインテンシブなものだから、決して俺がノータリンだからじゃない。
 ああもうあと五分しかない。
 脳内を垂れ流す、たりない。かゆ、うま。とまれ、まとめようとするのがいけないのだ。むしろ加速を。愚か者にこそ向こう見ずの祝福を。
 そう、情報とミームの話。だから俺は仮面ライダーWに面白さを感じるわけで、一心同体、という点に接続性を、フィリップの情報検索にミームという解離をみるのだ。否。ミームと言う解離ではなく、ミームの持つ皮相的な接続と本質的な隔離である。Fateの主人公である衛宮士郎と同じである。コピーという表層的、精神的な同一と、伽藍と言う肉体的な空所。ロミオの提示したQに対する伝奇的な直球の回答としてのFateは興味深い。

 おわり。