six-9のブログ

おっさんのブログ。エロゲとかアニメとか。

第二十八回文学フリマ東京 2019/05/06

行ってきました。

目当ては感傷マゾ本だったけれど、案外楽しくて、たくさん買ってしまった。おそらく自分史上最大額・最大数の購入だったのではないか。会場もいつもの東京流通センター第二展示場ではなく、第一展示場に変更となっていた。一フロアの開催で、回りやすかったが、飲食店ブース(クルミドコーヒーとターリー屋)がやや手狭だった点、見本誌コーナーが展示場とやや離れていた点が気になった。

とりあえずざっと読んだ記録を記載。

 

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購入品一覧

 

 

 

エロマンガ統計 2018 牧田翠

  
オススメのエロマンガ教えて、のコラムで火鳥の「快楽ヒストリエ」を挙げてた。確かに無難なチョイス。真似しよう。
一冊作るのに300時間(3ヶ月)かかっているというらしいが、確かにそれも頷けるだけの情報量。すごい。
度々、デイビのエロマンガが引用されていた。デイビのエロマンガは、女性主導で、性器性交が描かれない。これには俺も確かに新しい流れを感じていた。
本当に、うんうん頷きながら読んでしまった。
コンドームの使用描写が増えている点も、感覚レベルでは思っていたが、データとしても裏付けが取れた。紙面もカットイラスト、デザインともにプロレベルの仕事。非常に読みやすい。
 
表13では、視点ごとに主導権を分けた結果を載せています。この結果を読み取ると、男性視点だと女性主導が多く、女性視点だと男性主導が多いということがわかります。つまり、エロマンガは受け身的な視点で読むパターンがやや多いという傾向が見えてきます。
『08 性行為に誘うのはどちらから? 視点キャラでない性別が誘う 表13 視点キャラと主導権 受身の姿勢で物語を読む傾向』
 
男女キャラとも、後半で性器が出てくる(表28,29)という傾向は同じになっています。しかし「顔」については差が大きく、女性の顔は全編にわたって描かれ続けているのに対して、男性の顔は中盤以降、登場しなくなっています。つまり、性器が出てくると、男性の顔の描写はされなくなり、男性の個性=性器になってくるといえます。この現象は商業上の美少女エロマンガだけではなく、同人誌でも見られることから、エロマンガ統計シリーズでは「性器と顔の交換」と呼んでいます。
14 男女の裸体はどう描かれるか 男性器は顔の一部です 男の個性は顔でなく性器で表現される
 
今回、集計の下読みをしていて気になったのが「避妊」の描写です。以前(2013)に集計したときは少なすぎて集計を止めていたのですが、気になって再び集計してみると、避妊具(コンドーム)の描写割合が全体的に増加していました(表30)。
15 エロマンガで避妊はしているのか コンドームが使われるように ゴムを使うのは優しさ? 快楽? 

 

 
 

カラメルカラム

エスちゃんのセリフ集とアクキー。アクキーは表と裏で表情が変わるよ! もっと罵ってエスちゃん!
 
 
 

LOCUST VOL.02 FAR WEST 東京 八王子・福生奥多摩

たまたま北出栞(@sr_ktd)さんの名前を見たので、購入。
個人的に、奥多摩氷川キャンプ場に行ってきたばかりだった。見覚えのある赤い鉄橋の写真もあり、運命的なものを感じた。
LOCUST meets MESS --途中下車のすすめ case.立川
これしか読んでいない。
とある魔術の禁書目録ガッチャマンクラウズの舞台となったことから、立川をアニメの「聖地」として読むというもの。なお、ファーレ立川というパブリックアート群があるのを初めて知った。
立川がアニメの風景に使われるようになったのは、実は自然発生的なものではない。冒頭紹介した『とある魔術の禁書目録』において借景されたことに気づいた自治体により、事業として積極的に誘致されるようになったという経緯があるのだ。
 
一ノ瀬はじめの趣味であり、本作の最終話のタイトルにも付されている単語は「collage(コラージュ)」である。多様性に満ちた世界をむやみにフラット化せず、「デコボコ」した状態をコラージュ作品のように楽しもうというメッセージがここには表れている。本作においてガッチャマンとは「敵」を打ち倒すという合目的性に憑かれた「正義の味方」ではない。「平」和=フラットさをもたらす救世主ではなく、世界の「デコボコさ」を肯定しながら「うまくやっていく」触媒のような役割を果たすものとして、ヒーローという存在が読み替えられているのである。

 

最後は少し強引に立川とアニメを結びつけているように感じたけれど、写真もキレイでデザインもしっかりしたプロの仕事で、非常に読みやすかった。まだ読んでいないが、奥多摩についての文章も非常に面白そう。見出しのみを抜粋しておく。「民話が語りつぐもの」「境界の写真を求めて」「東京に襲来する」「異界の作法」
 

アニクリ ANIME CRITUQUE vol.6s アニメにおける線 監督 湯浅政明総特集

アニクリ ANIME CRITUQUE vol.9.0「監督 山田尚子」 総特集号

 

通称「感情マゾ座談会」の内容が気になっていたので、買えてよかった。 

 
 

感傷マゾ vol.02 最高の夏コンプレックス特集号


*1

めちゃくちゃ性癖にハマった。以下のコンテンツは読んだ。とても良かった。最高の夏コンプレックスとは何か、サマーコンプレックスについては、ともに感傷マゾという感情・体験を言語化するのに、そうそうそれそれ、という内容だった

 読んでいて、「プロのデザインが入れば、もっと読みやすくなったのに」と悔しい思いがあった。コンテンツは最高。

  • 00. 最高の夏コンプレックスとは何か
  • 01. 三秋縋インタビュー サマーコンプレックスについて
  • 02. かつて敗れていったツンデレ系サブヒロインの物語
  • 03. 「最高の夏コンプレックス」と精神的欠損に関する一考察
  • 06. 君の嘘、思い出の君 あるいはマゾの話 

感傷マゾとは、存在しなかった青春への祈りです。
00. 最高の夏コンプレックスとは何か

 

四季の中でも、なぜ、夏を強く感じさせるものを見る度に、コンプレックスを刺激されるのでしょうか?
三秋 よりマゾヒスティックな解釈を採るなら、「夏という季節は若さや活力や可能性に溢れていた頃の自分を想起させ、現在の老いや限界を意識させれるから」なんてのもありだと思います。エモさは、どのようなシチュエーションで生まれるものなのでしょうか?
三秋 構成要素の大部分が独立では非情緒的だけれど、それらを総体として捉えたとき、断片の単なる総和からはかけ離れた強い情緒が感じられるさま、とでもいうか。「相思相愛だったのに告白できなかった女の子」の場合、終着点は「後悔」なんですけど、その後悔が全体に遡って適用されることで「相思相愛」の価値を相対的に引き上げている。そういう迂回によって初めて生じ得る美しさや好ましさに対して抱く感情が、「エモさ」の核なんじゃないかと踏んでいます。
01. 三秋縋インタビュー サマーコンプレックスについて

 

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裏表紙の感傷マゾグラフ。ブレードランナー2049、ファイトクラブ新海誠、ここさけ、など、いわゆる感傷マゾとひとくくりにされそうなものを分類している。

 

 
 

エトセトラ VOL.1 SPRING/SUMMER 2019 田房永子 責任編集 特集 コンビニからエロ本がなくなる日

 
毎号、新しい編集長がいちばん伝えたいテーマを特集するフェミマガジン創刊!
大手コンビニチェーンが、2019年8月末日までに「成人向け雑誌」の販売を中止する方針を決定。
私たちの生活に欠かせないコンビニという場所に「エロ本」があったこと/なくなることについて
田房永子が編集長となって、二度とないタイミングで60人のリアルな声を集めました。
作家や漫画家、書店店長、成人誌製作者からの寄稿他、一般投稿による40人の賛否激論フォーラム、各社コンビニへのアンケート、もちろん田房永子のエッセイ漫画も!
身近なテーマからフェミニズムを考える、新しい雑誌の誕生です。

(目次)
特集/コンビニからエロ本がなくなる日
寄稿
小川たまか/北原みのり/伊野尾宏之
デジスタ小保方/ドルショック竹下/武田砂鉄
瀧波ユカリ/水谷さるころ/少年アヤ
安達茉莉子/高橋フミコ/清田隆之
一般投稿40人による賛否激論・投稿フォーラム
漫画
かつてコンビニにはエロ本があった
コンビニに抗議できなかった話 田房永子
アンケート
「コンビニからエロ本がなくなること」について、コンビニ各社へお尋ねしました。
連載
編集長フェミ日記 2019年1〜2月
LAST TIME WE MET 彼女たちが見ていた風景 宇薄山喜久子
私のフェミアイテム 長田杏奈
NOW THIS ACTIVIST 福田和子
etc.bookshop通信
 
中身は特にめぼしい記事もなく、寄稿・漫画はエッセイにとどまり、その他のコンテンツは一般投稿40人の感情、アンケートについても、コンビニ各社の紋切り型の回答を記載しているだけ。
一般投稿のほうにも鋭い意見があった。業界の人などの投稿も拾っていたため。
デザイン・漫画の見栄えはさすがプロレベルで、読みやすかった。

新しい情報としては「エロ本の作り手にお話を伺う中で見えてきた巨大構造
」が面白かった。そもそもコンビニエロ本は、コンビニ業界からの要請によって作られた。コンビニエロ本はキモカネ(キモくて金のないオッサン)に向けたものであり、それらの購買意欲が衰えた今、単純に経済的な理由によりコンビニから切り捨てられる。
また読者層も年々高齢化していて、昔は女子高生や女子大生が好まれていたのが、今はもっぱら熟女や人妻が人気だという。
レポート エロ本の作り手にお話を伺う中で見えてきた巨大構造
 

あるエロ本の編集者と話していたとき、「イッたことある?」と聞かれたので、「えっ、あります」と即答したことがある。しかし彼は、まるで私の返答が聞こえなかったかのように、「女がイクとはどういうことなのか」について自説開陳オナニーを始めた。「イクときって、今のがイッたのかも? って曖昧な感じじゃなくて、はっきりとわかるものだよ」と優しい表情でこすり続け、「たまかサンも、いつかイケるといいね」でフィニッシュ。
コンビニのエロ本は誰のエロ本なのか 小川たまか

 

 

風俗大好きお姉さん 

デザインも素人で、文章も読みづらい。けれど、その生き方がハードすぎて、思わず読んでしまった。コンテンツ力の勝利。
 
私の、風俗で働いた17歳から22歳までの五年間は青春でもありました。
 
風俗にくるお客さまは『性行為』に飢えているのではなく、この『肯定的ストローク』に飢えているのではないか、とふと思いました。
 
 

家電OEMの会社で働くあなたのための参考書-常盤-平蔵

 
内容紹介
OEM請負のものづくりの世界で働き始めた新人に、この業界で生き延びるための参考となる情報をもたらすことがこの本の目的です。あれ?なんかおかしいぞとか、どうなってるんだこれは?と思うようなことでも、その裏側にある理由や筋書きを多少なりとも知っていれば、人間としてその問題に立ち向かうことが出来るかもしれません。そのために必要な情報はどうやって入手したらいいのか?それを考えるための参考書として役立つことを願って止みません。
目次
はじめに
第一章 入社まで
第二章 OEMとは
第三章 手作り方法のいろいろ
第四章 日本での仕事
第五章 実際の仕事(掃除機)
第六章 中国での仕事
第七章 中国での生活
第八章 中国での生活(ダークサイド)
第九章 それぞれの製品について
第十章 OEMで働くことの問題点とは?
あとがき
 
著者紹介読んだら、この人、博士じゃん。すごい。kindle unlimitedに登録されていたので、電子書籍版で購入すればよかった。少し後悔。
OEM製品の一つについて、その仕事の流れが詳細に記載されていて非常にわかりやすかった。中国(深センのようです)での仕事についても、細かく記載されていた。
OEMとODMの違い。OEM請負企業のメリット・デメリット。読みやすく、含蓄深い内容だった。2015年までの話なので、中国の状況については、2019年の今となっては少し古くなってしまっているかもしれない。
 
 

假面特攻隊 竜騎士戦隊リュウソウジャー序盤評

各スタッフやキャストの情報を記載していてくれて助かった。文体が、感想と情報を混ぜこぜにしていて読みづらいのが難点だが、必要な情報をある程度拾うことができた。所謂オタクの早口状態。『速報』というのだから、ある程度は仕方ないのかもしれない。せめて見出しをつけてほしい。
カットの人は文章書かないのね。
マスターレッド・マスターブルー・マスターピンクのキャスト、リュウソウ族の長老など、往年の特撮ファンには垂涎のキャストであることはわかった。デザインが格好良いというのも共通見解か。
 こっそり「アベンジャーズ/エンドゲーム」速報もあったが、内容はネタバレに配慮したものなので、特筆すべき記載なし。
 
 

*1:寄稿募集のページですが、一番情報がまとまってそうだったので掲載しています