six-9のブログ

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あなたとあなたの研究

新しい研究分野名で適当に検索を掛けていたらこんなの拾った。どこかで聞いたような耳の痛い話と聞いたことも無い耳のとても痛い話。最近「研究成果なんて運だ」と言う癖がついていたのでドキッとした。

http://d.hatena.ne.jp/lionfan/20080726
http://d.hatena.ne.jp/lionfan/20080727

たとえばアインシュタインは12歳から14歳のころに「光の速度で光を見たらどう見えるだろう?」と自問しました。またアインシュタインは、電磁気理論によって定常的な極大値を得ることができないことを知っていました。しかし光速の早さで移動すれば極大値に見えるはずです。彼は12歳から14歳のころにその矛盾に気づき、すべてが正しいわけではないこと、光速には何か特殊性があることを発見しました。アインシュタインが最終的に特殊相対性理論を発見したのは運だったでしょうか? アインシュタインは早くから問題の一部を考えることで、ピースをいくつか埋めていました。つまり運は十分条件ではあっても必要条件ではないのです。

多くの人々は、最高の労働環境が重要だと考えますが、そうではないのです。そうではないと断言する理由は、人はしばしば、労働環境が悪いときに最も生産的になるからです。ケンブリッジ物理学研究所の黄金時代は、単なる小屋だった時でした。そのときケンブリッジ物理学研究所の人々は最高の物理学をしたのです。
私個人の話にしましょう。ベル研究所は二進数のプログラムをするのに通常、必要とされる人数を私に割り当てるつもりがないことが、早くから私には明らかでした。ベル研にそのつもりは全然ありませんでした。当時はそれが普通だったのです。私は西海岸に行き、飛行機会社で仕事することも問題なくできたのですが、ベル研の人々は刺激的で、向こうの飛行機会社の人々はそうではありませんでした。私は長いこと「行きたいのか? そうではないのか?」と考え、2つのありうる未来のどちらが良いのか悩みました。とうとう私は自分に言いました。「ハミング、おまえはコンピュータなら何でもできると思ってるよな。じゃあプログラムを書かせることだってできるんじゃないか?」最初に私には欠点と思えたものが、非常に早い時期に私を自動プログラミングへと後押ししてくれたのです。欠点と見えたものが、視点を変えるとしばしば最高の財産となります。ですが「やれやれ、十分なプログラマもいないのにどうしてすごいプログラミングができるっていうんだい?」としか考えなかったら、そのようには考えられなかったでしょう。

ボーデが言ったことは「知識や生産性は複利に似ている」ということでした。ほとんど同じ能力の人が2人いて、一方はもう一方より10パーセント増しで働いているとします。後者は前者の二倍以上の生産性があるでしょう。知れば知るほど、さらに学びます。学べば学ぶほど、もっと行動できます。行動すればするほど、チャンスが増えます。それは複利に似ています。比率を言いたくはありませんが、非常に高い比率です。まったく同じ能力の2人がいて、一方が毎日1時間ずつ多く考え続けたら、生涯ではものすごく生産的になるでしょう。

お話ししたい別の特徴があります。その特徴とはあいまいさです。その重要性を認識するのにしばらく時間がかかりました。多くの人は、何かが真実である/真実ではないと信じることを好みます。偉大な科学者はあいまいさに関して非常に寛容です。彼らは理論を、研究を先に進めるために十分であると信じています。ですが間違いや欠点に気づく程度には理論を疑うので、先に進んでそれに代わる新しい理論を作り出すのです。理論を盲信してしまったら決して欠点に気付かないでしょう。疑いすぎたら研究を始められないでしょう。微妙なバランスが必要です。ですがほとんどの偉大な科学者は自分たちの理論が正しい理由をよく認識しています。その一方、自分たちの理論の、完全に現実に一致するわけではないわずかな不具合にもちゃんと気づき、それを忘れません。

この話題の最後に、みなさんに思い出していただきたい言葉があります。「ダメな人は自分の道具を責める。できる人は与えられた道具で仕事をし、最善の解決をする」と。

多くの人は本を書くためにサバティカルを取るのに、締め切りまでに書き終えることができません。そこで私はサバティカルに行く前に、本を仕上げるつもりだと友達みんなに言いました。そう、私は本を完成させるでしょう。でなければ恥ずかしくて帰れません。私は自分をそう仕向けるために自尊心を利用しました。何かに関して大言壮語すれば、仕事せざるを得なくなるでしょう。私は罠にかかったネズミのように、しばしば驚くほどの能力を発揮しました。私はどうするか何も考えていないのに「ええ、火曜日には答えを持っていきます」と言うことで得をすることがわかりました。日曜日の夜になるころには、火曜日までに答えを届けるため本気で考えます。しばしばプライドを危険にさらし、時々は失敗しましたが、罠にかかったネズミのようにと述べたとおり、しばしば私が良い仕事をしたことに驚きます。みなさんは自分をやる気にさせる方法を学ぶ必要があると思います。

原文はこちら→You and Your Research

リンク元はここ→現在関心のあること
このページには以下のようなことも書いてあった。今の自分には無い問題意識だったので新鮮。個人的にはApplied Physics LettersとかNatureとかが冊子媒体で研究室にあれば暇なときにめくれて良いと思う。あ、今の研究室には「応用物理」が届くのでその点は嬉しい。

大学院生になったら,アカデミックな研究者を目指すのであれば,以下のプレプリントサーバーに投稿される原稿を毎日チェックすべきです.世界中のどこからでも研究の動向がチェックできますし,何が問題となっているかを把握し,ここから研究テーマについてのヒントを掴むことができるでしょう.